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それはグローバル化の問題だ。10年前から社員にもいってきた。将来は、年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。仕事を通じて付加価値がつけられないと、低賃金で働く途上国の人の賃金にフラット化するので、年収100万円のほうになっていくのは仕方がない
――付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると。
そういうことだと思う。日本人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ。
ユニクロの社長は特に新しい事は言っていません。
勝ち組/負け組 能力主義 という方向性は、小泉構造改革以来、日本の目指すべきものとされてきましたから。
しかし日本の国力という面で見た場合、この方向性は功を奏さないでしょう。
能力主義によって勝ち組/負け組に日本人を分断しても、日本の国力は低迷するだけでしょう。
わたしの持論として、日本人は自分の所属する集団のために働く時に底力を発揮する、というのがあります。
愛国精神のおかげで、第二次世界大戦ではアジアの新興国のくせにそこそこ頑張れた。
愛社精神のおかげで、戦後の焼け野原から高度成長を成し遂げた。
日本人は仲間と一緒に勝つのが得意なんですよね。
自分一人だけ勝つんじゃなくて、仲間と一緒に勝ちたい。
だから成果主義も能力主義も向いてない。
成果の出せない仲間はみんなクビになる、俺は成果を出して生き残ってやるぜ、なんて向いてない。
戦後の焼け野原から日本が奇跡の復活を遂げましたが、その理由はなんだったのでしょう。
社長と社員が一丸となって「我が社を日本一の会社にするぞー!おー!」
そういう、昭和の匂いのする愛社精神。
泥臭い仲間意識と愛社精神こそが、日本の力だったのではありませんか?
日本再生のためには、愛社精神の復活。
これしかないと私は思っています。
自分が生き残るためではなく、会社が生き残るために必死になる社員の育成。
それが急務でしょう。
「お前は無能だから100万円なんだ。だが有能になればもっとたくさん給料を出してやる。お前の付加価値はなんだ?言ってみろ!」
この会社においては、社員は付加価値=自分しか出来ないスキルを確保するために、若手を育てないでしょう。そして同僚を貶める事しか考えないでしょう。
上司に胡麻をすり他人の悪口を言うのが得意な嫌な人間だけが生き残りそうですね
同じ100万円の給料でも
「今は君たちに100万円しか出せない。だがより良い会社になったら、もっとたくさん給料を出せる。だから共にがんばろうじゃないか!」
こう言われれば社員は自分個人のためではなく、会社のために何が必要かを考えて動くでしょう。
そうして日本は世界的に有名な会社がたくさん誕生したのです。
それらの企業は終身雇用、一億層中流社会と呼ばれる時代、愛社精神の時代において誕生したのです。
決して、勝ち組/負け組の格差社会、能力主義社会において誕生したわけではないのです。
でも今、日本型企業の元気がない。
それは従来の日本型経営のせいなのか?
いいえ、単に日本の内需が崩壊したせいです。
ではなぜ日本の内需が崩壊したのか?
リストラが横行し派遣社員が急増し終身雇用が崩壊して中間層が崩壊し消費が低迷したからです。
誰も言わないからあえて言います。
終身雇用が復活し中間層が復活し少子化が解消すれば、日本型企業は元気になります。
中間層を自ら破壊して優良な日本型企業を消失させて、日本と言う国に何をもたらしたいのですか、ユニクロ社長。

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